アメリカ環境保護庁へ連絡してみました。

日本の震災がれき処理では、
アスベストに注意するようメッセージ
 
 
宮城県でアスベストが問題になっています。報道でご覧になった方も多いと思います。
震災がれきにはアスベストが付着しています。
 
アスベストが悪性疾患を引き起こす理由は主に二つあります。
一つは,鼻や口から吸い込むと,気道や気管支にとどまらずに肺の奥深く,空気と血液との間で酸素や二酸化炭素のガス交換を行う肺胞にまで到達する点。当然,人間には異物を唾液と一緒に体外に排出するなど,さまざまな防御機構が働くが,ことアスベストに関してはこれが効きませんそれは,アスベストが細くて小さいからです。
アスベストの繊維は、極めて細く、空気中に浮遊しやすい為、吸引されやすい特徴があります。
アスベスト繊維を多量に吸うと肺の中に残り、アスベスト肺・肺がん・中皮腫の原因になるおそれがあります。

アスベストの電顕写真(a)蛇紋岩系のクリソタイルと,(b)角閃石系のアモサイト。
繊維径は,前者が0.03~10μm,後者が0.1~10μm
アスベスト
 
 
木質系がれき?このがれきにはアスベストが含まれています

そこで、「アスベストを焼却すること」について、アメリカ環境保護庁にたずねてみたところ、以下のような書面による回答をもらいました。

 
『アメリカ国内では、ハリケーン・リタとハリケーン・カタリナの際に、ガレキが生じたが、焼却が許可されたのは、草木ゴミのみであり、その他のガレキは大体が埋立て処分になりました。

もし日本政府がアセスメントをせずに、ガレキを無差別に焼却しているのなら、あなたは法的に懸念を表明することができます。
建材の製造時にアスベストが使用されていたのは、周知のことなので、焼却処分に際し、アセスメントが必要です。
一般的な焼却では、アスベストがガラス質になることなく、アスベストのファイバーは熱流に乗って移動し、アスベストが焼却地内外を汚染します

 
(ひまわり注:アメリカでは草木ゴミを下記のようなエア・カーテン・ディストラクターという装置で焼却します)
 
                      エア・カーテン・ディストラクター

アメリカ環境保護庁では「焼却は危険」という認識のようです。

阪神・淡路大震災で発生したがれきの場合、神戸市は、海面埋立予定地の埋立免許を前倒しで取得し、不燃物のリサイクル材の約97%を占めるコンクリート埋立用材として利用することができました。
東日本大震災では、がれきは躊躇なくどんどん焼却されています。

私たちは、今後も引き続き、アメリカに疑問点などをたずねていきたいと思います。